「エロの敵」評。
特にエロの歴史(1章あたり)については年表、脚注で補足されており全体的に読みやすい構造になっている。
2章について言うならやや敵視しすぎなきらいはあるが、この先更にその傾向(ネットによる「浸食」)が進むことを考えると、妥当である。但し、この章に関しては雨宮まみさんのブログを併読することをおすすめ。
「エロ」に関して言えば、個人的な主義、主張を読む方が、おそらくは面白いであろうと思うので、この本は一冊の参考書として使用するのが正しい気もする。単刀直入に言えば、やや「ノーマルにできすぎ」感がある。
但し、この書が提示するヴィジョンと現実のヴィジョンはおそらくかなり近いと思われる。
「エロ」というものに対して我々が「金銭」という対価を払わない現実はインターネットにより更に加速してゆくだろう。
更に、エロ、音楽、漫画、アニメそして技術、いろんな分野で飽和と細分化が始まっていて、それらの根幹はおそらくさほど変わりはない。