前略、大沢遥様

これはAVかそれとも何か一つの映像作品なのか、というのが初見の感想でした。
いや、確かに抜きどころ的なところはあります(いちおうフォロー)。大沢遥さんは、雨宮まみさんも言っていましたが、決め顔じゃなく普段の顔もかわいらしい女優さんですし、絡みもあります。

でも男三人がそんな女優を前にして全然はめ撮りなんかしないんですよ。あげく助監督の、上島くん(あえて「くん」です)は遥さんに、最初はほのかな恋心を抱いているような感じなのに、男優と絡んだとたんに軽蔑しちゃうって言うこれまた童貞魂溢れる人だし(しかもその様子が淡々と記録されている)もう、これ、なんなんだよという感じなのです。テロップなんかある意味無駄に気合い入ってます(僕は好きだけど)。

オナニーシーンは廃線の上、そして途中ぐだぐだの飲み会やら温泉での様子を挟んで絡みなんですけど、ほんとAVか?一応抜けるってことはAVか。

でもこの作品は、恋愛ってことに対して視聴者にぐいぐい食い込んできやがりまして、僕は帰りの電車とバスの中で、
「最近恋愛をしてないけど、僕にもこういう童貞的なルサンチマンはあるんだろうかとか、上島君は絡みを見て失望したけど、じゃぁ好きな相手がいるにもかかわらず顔とスタイルがいい女にやられる男に対して女の人はどう思うんだろう、それは女の人が「処女」というものに抱く感情がわかったとして、カスケードに結合されるものなのか。」
とか、言葉足らずな上いろんな事を考えちゃってしまいました。
今も書きながら考えていたりします。書ききれなくて申し訳ないほど思考が巡ってしまう。そんな作品で、そう考えてみると考えさせられるAVってやっぱりそれってAVの範疇にはいるの?ってなっちゃう訳でして、じゃぁAVって何よ?単純なオカズとしてAVはあり続けなければいけないの?とか、
そういう一石を投じた(てしまった?)作品でした。

とにかくかえ、とは言わないけれど、見ておいて損は無いし、広めてみたい、けど、広めにくい。でも、松江哲明監督の魅力というか謎の空気にあてられたい人は、ぜひ見るべきだと思う。ぼくは中られてしまいました。

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(全然セキ☆ララの事かいてないじゃんと思うでしょうが、今見終わりました。)