上映「天宮まなみ,赤裸々ドキュメント」

総評

この作品は一般的なAVとしては結構評価が低い。
が、通して観る事で初めて松江監督が描きたかったものが見える。
即ちこれは所謂「抜ける」「抜けない」の議論ができないAVである。
そのようなものをAVと呼べるのか?と言われれば僕は「そんなAVがあってもいいんじゃない」と答える事しかできない。
しかし、「セキ☆ララ」を見てもらえば更にわかると思うが、松江監督はAVを撮る、という事に関して非常に真摯な人だなという印象を受ける。
更に言えば、カラミを撮るのではなく、セックスを撮る。
つまり、ヌキドコロ(ももちろん商業的には撮る訳なんだけれど)というよりは、その女優の持つ内面や生活を含めて丸ごと撮る。
抜ければいいようなAVで女優をないがしろにしない。

故に、抜けないAVでも「何だこいつスゲーイラッとくるな」というような悪感情を比較的持ちにくかった。
全体的な感想はそんなところである。

作品について

赤裸裸ドキュメント自体の内容は、天宮まなみさん(実はタメ年だったと知った)が「家族旅行」をする、というテーマについて撮られた作品で、
思い出の地を回る。正直、前半部は抜きどころが少ないAVだと切って捨ててもまぁ構わないだろうと思う。
その後、最後に松江監督自身が、「天宮まなみはセックスの最中にカメラを向かない。とても入り込んでしまう女優だ。」ということで、
カメラの方を向けさせ、より彼女のホンネを引き出すためにはめ撮りをする事になる訳なんだけれど、いざ入れようとすると、松江監督、中折れ。
某承太郎ばりのオラオラスパンカー松江監督が、中折れ。フツーのAVならカラミが減っちゃう=ダメポなわけでして、監督の口にキムチを突っ込んで右のほおと左のほおをぶん殴る所です。だけど、そういうハプニングも松江監督は淡々と撮影している。その後の様子を綴る事で、結果的に女優さんの内面を引き出す事に成功している、と考える(このシーンに抜きどころは正直言って無い。しかしそれでいい。その後で彼女をちゃんと書き出しているのだ。)。

ラストでは豊田道倫氏の歌と彼女の描いた絵でこの旅行を振り返って、終わる。僕はこのシーンがこの作品では一等好きだ。AVに対して抜きどころ以外をほめるのはある意味すごく失礼なのかもしれないし、AVを見たい人はそんな評価を望んでいないのかもしれない。
更にいってしまえば、AV女優の内面を見るのに、AVとして撮る必要はないんじゃないかと言われるかもしれない。
でも、僕は、アダルトな世界に身を置いている人は、アダルトという土俵があるから語れるんだと思う。
だから、この作品だけではなく、松江監督はAV監督として、ドキュメンタリーを撮り続けるのだろうと思う。

ドキュメンタリーとDVD

DVD全盛の今、抜きどころをチャプターごとにぶつ切りにされたAVがたくさんあるし、その方が「実用的」ではある。
松江監督の作品はドキュメンタリーという事もあり、この方式には全く向いていない。しかし、通してみたときに、ドキュメンタリーとしての作品の良さがじわじわ分かってくる。その部分において松江監督は優れている。そういう意味では、松江監督は、遅れてきたエース、と言えるのかもしれない。ビデオ時代なら、あるいは評価されていたかもしれない。そんなのは独りよがり、という意見もあるだろうけれど、そんな監督がいたって面白いんじゃないか?と僕は思う。

最後に。

松江監督、イベント終了後もお話をしてくださってありがとうございました。「童貞。」見に行きます。つか、ストーカーしていいですか。駄目ですか。
天宮さん、頑張りすぎなくたっていいけれど、でもきっと、頑張っている姿が似合ってます。同年代の活躍を見るのは、自分としても嬉しいです。
関内(だと思われる)美味しいお店、聞けば良かったです。
直江さん、企画お疲れさまです。感謝致します。でも、Tシャツが気になります。どこで購入されてるんですか。

近況

それでは僕は、寝てから製図に行くので(実は今までも図面を引いていたのだ!つまりイベントには製図の合間に参加したのだ!)、これで。

あ、そうだ、誰か大世界パンダ祭り一緒にいきましょう!!!!声かけてください!!!